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新規事業の企画に役立つ、カイヨワ遊びの4類型

こんにちは、ウェルテック編集部です。

今回は、「遊び」についてです。

新規事業の立案、新しいゲームの制作、レクリエーションの企画、など「どうすれば楽しくなるか」

ということについて考えるときに役立つのが、

社会学者のロジェ・カイヨワによる遊びの4類型です。

「遊び」とはいったいどういうことなのでしょうか。

このことが理解できていれば、人が「楽しい」と思う新規事業や企画の立案ができると思います。

この「遊び」を体系化したカイヨワ遊びの4類型について、ざっくり解説したいと思います。

 

6つの活動

フランスの社会学者ロジェ・カイヨワは著書である「遊びと人間」で、

遊びを以下の6つの活動として定義しています。

①自由な活動
遊戯者が強制されない活動である。

⇨遊びとは、遊びの最中に外部からの強制が伴わない。遊びの最中に外部から指示されるなどはない。

②隔離された活動
あらかじめ空間と時間が決められている。

⇨遊びとは、空間や時間の制約がある。どこまで行っても遊びの空間の中、永遠に続く、などはない。

③未確定の活動
ゲーム展開が決定されていたり結果が分かっていてはならない。

⇨お前は負けが確定、という状態でスタートしない。

④非生産的活動
ゲーム内での財産の移動を除いてゲーム開始時と何も変わらない。

⇨遊んだ後に本当に鬼として捕まえられる、などはない。

⑤規則のある活動
ルールに従って行う。

⇨ルールが途中でどんどん変わる、ということはない。

⑥虚構の活動
日常と比較して明確に非日常であるという認識のもとに行う。

⇨鬼ごっこの鬼が本当に鬼、ということはない。

 

言われてみれば普通のことですが、体系化させるとこのように定義づけることができる、ということですね。

確かに遊戯者が強制されているものは遊びとはいえませんし、永遠に続く鬼ごっこはもはや苦行となってしまいます。。

 

4つの分類

次いで、カイヨワは人類の遊びを「意志⇔脱意志」「ルール⇔脱ルール」という2つの軸でとらえ、縦横4つの類型を導きました。

それを表したのがこちらの表です。

①競争
ルールも意思もあるもの。「競争」のかたちをとる遊びの群。競技スポーツがわかりやすいですよね。個人・団体を問わず、また道具の有無も関係なく競争の形式をとるもの。
例:競技スポーツ全般、サッカー、囲碁・将棋、オセロ

②偶然
ルールはあるが意思が伴わないのが偶然。競争が遊戯者の力の優劣によって結果が左右されるのに対し、偶然は遊戯者の力が及ばないところで勝負が決定する点で対照的です。
例:ギャンブル、ルーレット、くじ

③模倣
意思はあるがルール無関係、いわゆるモノマネです。その人格を一時的に忘れ別の人格を装う虚構の世界における一人格を演じる形式をとるものを指します。コスプレなんかもこの分類だといえます。
例:ものまね、おままごと、演劇

④目眩
意思もルールも関係ない部分、これはジェットコースターなどに乗った時のめまいや絶叫を表しています。目眩や失神に似た状態を伴う遊びの形式。ちょっとクラクラするもののことです。
例:ジェットコースター、滑り台、ブランコ

 

具体的には・・

競争、偶然、模倣、目眩、この4類型がわかったところで、

具体的な例を考えてみました。

まずは滑り台。これは高いところから滑り降りることで「目眩」が生じます。

つまり、この「目眩」の要素がある滑り台は、遊びの道具として楽しい、と言えるわけです。

同様にブランコやシーソーなど、公園には目眩を生じさせる遊戯がたくさんあることがわかります。

次はこちらです。

この滑り台の「目眩」をさらに研ぎ澄ましたのが、こちらですね。

ウォータースライダーです。普通の滑り台より早いスピードで滑り、最後はプールにドボン。

目眩からの目眩というわけです。

 

ではこの滑り台。

次は、違う遊びの要素を加えてみたいと思います。

それがこちら。

こちら、滑り台に「模倣」の要素を加えた、ゾウさんの滑り台です。

「目眩」と「模倣」の2要素がありますから、

おそらく子供は普通の滑り台よりも「楽しい」と感じると思います。

 

それでは、さらに次の要素を加えます。

それがこちら。

どうでしょう。

ゾウさんの滑り台を3レーンにしてみました。

これは「競争」の要素を加えたものです。

3人で、「せーの!」といった具合で競争しながら滑ることができるわけです。

1人で滑るより、みんなで滑ることができた方が楽しいですよね。

 

最後に究極です。

3レーンのゾウさん滑り台をプールの上に設置し、

滑っている途中、小ゾウがランダムで水をかけてくる。

「偶然」の要素も加えた究極の滑り台ができました。

これで人気アトラクションの完成です(笑)

 

 

いかがでしょう。

最後の例は少し極端かもしれませんが、

これは楽しい!と思う企画・ゲームなどにはこれら遊びの4類型が潜んでいます。

新規事業の立案やレクリエーションの企画に携わる方は、

ぜひこのカイヨワ遊び4類型を意識した上で、取り組んでいただき、

より面白いものをつくっていただければと思います。

 

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